まず前提として、カロリーが低いからといって無制限に食べてよいわけではありません。たとえ1貫40キロカロリーのまぐろ赤身寿司であっても、20貫食べれば800キロカロリーになります。これは一般的な成人の昼食に匹敵するエネルギー量です。しかも、寿司は軽くて食べやすいために満腹感を得にくく、つい食べ過ぎてしまうという性質があります。
糖質はインスリンの分泌を促し、余ったエネルギーを脂肪として蓄えます。そのため、たとえネタ自体が低カロリーでも、シャリの量が多ければ体脂肪の増加に繋がるのです。さらに、酢飯には砂糖が使われていることが多く、これも糖質の摂取量を押し上げる一因となります。
もうひとつの見落としがちな要素は、食べるスピードです。寿司は早食いしやすい食べ物であり、咀嚼が少ない分だけ満腹中枢が刺激されにくくなります。結果として、必要以上に食べてしまう傾向が強くなります。特に空腹時に回転寿司などに行くと、短時間で多くの皿を取ってしまいがちです。
寿司と一緒に頼みがちなサイドメニューも要注意です。茶碗蒸しや天ぷら、揚げ物入りの汁物、さらにはデザートなどを加えれば、トータルの摂取カロリーはあっという間に1000キロカロリーを超えます。ダイエット中であれば、明らかに摂取オーバーのラインです。
時間帯によっても太りやすさは異なります。夜遅くに寿司を食べると、代謝が低下した状態で高糖質な食事を摂ることになり、消費されにくくなったエネルギーは脂肪として蓄積されます。特に寝る直前の寿司は避けるべきです。
さらに、寿司を低カロリーだから安心と思っている人ほど、無意識のうちに量で調整する意識が薄れがちです。外食でよくあるケースが、低脂肪の寿司ネタを20貫食べたうえに、味噌汁や唐揚げもつけたというパターンです。このように足し算の落とし穴が寿司には存在するのです。
こうした問題を避けるためには、以下のような行動が推奨されます。
寿司を食べても太らないためのチェックポイント
チェック項目
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意識すべき内容
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シャリの量を見直す
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シャリ少なめ、またはシャリ抜きで糖質制限を実施する
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食べる順序を意識する
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味噌汁→赤身→白身→巻物→軍艦の順で満腹中枢を先に刺激
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食事時間を管理する
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遅い時間帯は避ける、夕方までに食べ終えることを意識する
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頻度をコントロールする
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週1〜2回までに抑える、毎日は避ける
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食事量を記録する
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食べた貫数・ネタ・時間を記録し、振り返りの材料にする
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